『親鸞聖人』アニメに学ぶ 聖人の歩まれた道
比叡山での御修行

比叡山延暦寺 根本中堂
「どうすれば、この煩悩の火を消し、後生の一大事を、解決することができるのか。どうすれば……!」
(アニメ『世界の光・親鸞聖人』第1部より)
「人間は煩悩に汚れ、悪しか造れない。だから後生は地獄である」と釈尊は説かれています。これを後生の一大事といいます。
この一大事を解決するには、法華経の教えに従い、戒律を守り、煩悩と闘ってさとりを得よと教えるのが天台宗です。親鸞聖人の修行の目的も、この一大事の解決一つでした。
煩悩とは私たちを煩わせ悩ませるものと書き、全部で百八つあります。中でも恐ろしいのは、貪欲、瞋恚、愚痴の三つです。これを三毒の煩悩といいます。
まず貪欲とはあればあるで欲しい、なければないで欲しい欲しいと切りも際もなく広がっていく心です。この欲を満たすために私たちは日々悪を造っています。例えば、食欲を満たすために、どれだけ生き物の命を奪い殺生罪を重ねているでしょう。たとえ自ら手を下さなくても、肉を買って食べるのも同じ罪だと説かれています。
底の知れない貪欲を満足し切れない時が瞋恚、怒りの心です。「怒」とは心の上に奴と書きます。あの奴が邪魔するからだ。この奴さえいなければと心の中で殺している姿が怒りであり、激しいことは火のようです。カッと怒った炎は他を焼き、自らをも焼き、親、兄弟、親友をも平気で殺す恐ろしい心です。
愚痴は、恨みねたみの心です。自業自得の因果の道理が分からず、他人の幸せをねたみ、逆に人の不幸を喜ぶ悪魔のような心。それでいて他人から褒められたい、好かれたい、どこどこまでもずうずうしい奴です。 聖人の比叡山での日々は、まさにこの煩悩との格闘でした。
しかし、どれだけ厳しい修行に打ち込まれても、聖人の一大事の解決にはなりませんでした。
「私の心の中にも、欲望が渦巻き、怒りの炎が燃え盛り、ネタミ・ソネミの心がとぐろを巻いている。どうすれば、この煩悩の火を消し、後生の一大事を、解決することができるのか。どうすれば……!」
聖人の苦悩はますます深まっていったのです。
