親鸞聖人わあるど

『親鸞聖人』アニメに学ぶ 聖人の歩まれた道

聖徳太子の夢告

京都 鴨川
京都市内の鴨川の流れ

 

 比叡山に登って十年目、求道に行き詰まられた聖人は、大阪磯長(現・太子町)の聖徳太子のご廟に参籠し、魂の解決の道を尋ねられました。
 三日三晩、不眠不休の祈願のため失神なされた聖人の夢中に、聖徳太子が現れ、告げられたのが「磯長の夢告」といわれる次のお言葉です。

「我が三尊は塵沙界を化す。
 日域は大乗相応の地なり。
 諦らかに聴け、諦らかに聴け、我が教令を。
 汝が命根は、まさに十余歳なるべし。
 命終りて速やかに清浄土に入らん。
 善く信ぜよ、善く信ぜよ、真の菩薩を」

(阿弥陀仏は、すべての者を救わんと、力、尽くされている。
 日本は、真実の仏法が花開く、ふさわしい所である。
 よく聴きなさい、よく聴きなさい、私の言うことを。
 そなたの命は、あと、十年なるぞ。
 命終わると同時に、清らかな世界に入るであろう。
 よく信じなさい、深く信じなさい、真の菩薩を)

 

 もとより激しい無常に驚き出家なされた聖人。最も深刻に受け止められたのは、「おまえの命は、あと十年」の宣告であったことは想像に難くありません。
 刻々と迫る無常にせきたてられ、比叡山に戻られた聖人は、ますます修行に打ち込んでいかれるのでした。

 しかし、驚かねばならないのは、聖人だけのことでしょうか。非情な現実に直面しているのは、今、末期ガンを告知された人だけではないのです。

死の掌中にあり

「生ある者は必ず死に帰し、盛なる者は終に衰うるならいなり」(御文章)
 私たちは生まれた時から、すでに死の掌中にあります。後生の一大事は、すべての人に突きつけられていることを決して忘れてはならないでしょう。

「命あと十年」の真意が明らかになったのは十年後、聖人二十九歳の時でした。

 

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